きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
「…痛む?」


背広さんが
心配そうな顔で
聞く


「…大丈夫そうです」


私は背広さんの部屋で手当てしてもらっていた


やけどは幸いにも
ひどくはなさそうだったので

とりあえず薬を
つけてもらった


「痛みだすようだったら明日病院に行こう」


「そんな、この程度
大丈夫ですよ」


微笑むと
背広さんは
安心したようだった


ジッと私の顔を見て
フイッと目をそらす


「…頬も
冷やしておいた方がいいね」


あ…


氷取って来る、と
背広さんが
キッチンの方へ
向かう


「はぁ…」


私は背広さんに気付かれないように
ため息をついて


腫れた左の頬を
押さえた


ジンジンする…


やけどより
正直


頬の方が痛かった


< 55 / 106 >

この作品をシェア

pagetop