きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
対岸に


猫が立っている


いつものように
白いシャツに
チノパン


私は
なんだか嬉しくて

ちぎれる程に
手を振る


猫は私に気付いて
一瞬
驚いた顔をしたけど


少し
微笑んだ気がする


もっと
近くに行きたい…


そう思うけれど

目の前には
大きな河


のぞきこむと
あまり
深くないみたい


ちゃぷちゃぷと
足を河に入れて


進んでいく


…これなら行けそう



そう思った時


私の足の
すぐ隣りが


クルクルと
渦巻いたかと思うと



ザバァッ!

と水しぶきをあげながら


河の中から


真っ赤な馬が
いななき


現われた


私はみるみるうちに
びしょ濡れになる


…馬上には


長い綺麗な髪
切れ長の瞳
白い肌にふっくらとした紅い唇


あの女のヒト


< 66 / 106 >

この作品をシェア

pagetop