きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
女のヒトは
昨日とは違い


優しい目で
私を見て言う


「びしょ濡れね
風邪をひくわよ」



見とれて
何も言えない私に



スッと
手を差し出す



「あの子のところへ行くのでしょう?

だったら
乗って行ったらいいわ」

柔らかそうな唇が
私にそう言っている


あらがえなくて
私は手をのばす


「…な」


誰かの
声が聞こえる



「…るな!」



え…

猫…?


振り向くと
猫が何か叫んでいる



何て言ってるの?



「それに乗るな!」



ハッと
手を引っ込めると


ものすごい力で
手首を
つかまれる


驚いて
女のヒトを見ると

綺麗な顔が
般若の面になっていた


ズズズ…と河に
赤い馬と共に沈んでいく

「離して!」


私は暴れた


般若は
フフフ…と笑う
唇の端がキレて
ひび割れから
血がじわりとにじむ

恐怖で
どうにかなりそうだった

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