きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
7・猫、俺のこと
俺が
逃げるようにして
越してきた
この、アパート
今まで暮らしていた親父の家と比べたら
とても質素なものだったけど
ここが、俺の城だと思うと
何だって
満足できた
まだ荷物を運びこむ前の
ガランとした部屋に
足を踏み入れる
足の裏に
フローリングの
つややかな感触が
ひんやり冷たく
感じる
その部屋の居間には
すりガラスの大きな窓がついていて
近寄って
よく見てみると
出窓のようになっている
洗濯物を干したり
植物を置いたり
できるようになっているようだった
何気なく窓を静かに
開けてみると
陽の光が差し込む
眩しくて
でもそれが
心地よくて…
どのくらい
そうしていたのか
…その時
ふと
物音がして
窓の外に
人の気配がした