きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
「あれ、焼いてから
なかなかいい衝動が、
でてこない」

自分でばらまいた
ジェリービーンズを回収しに
猫は部屋から降りてきて言った

あれ、とは
こないだの裸体の絵だとしばらくして気付いた

2人で拾う


猫の中で絵を描くのは
ある種の
衝動、であるらしい


「だからって
なんで私にジェリービーンズまくわけ?」


私が飽きれ気味に聞くと
猫が顔をあげて
クールな金色の瞳が
私を捕らえる


その距離が
思ったより近くて

ドキっとしてしまう


猫は1年ほど前に
隣に越してきた

芸大生なのか
いつも絵の具がついた
Tシャツ着てる


端整な顔立ちと
金色の瞳が
トレードマーク


瞳の色素が薄くて
光が当たると

キラキラ
金色に光る


それが猫みたいだから
私が勝手に
猫って呼びはじめた


そんな容姿だから
女の子には
困らないみたい

とっかえひっかえ


そんな状態なのは
隣に住んでいると
容易にうかがい知れた


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