きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
「ハルト君、
金髪より黒髪の方が似合うのに」


ぽってりとした唇が
言う


「ほら…」


切れ長の目が誘う


「ハルト君には
こういう服が似合うのよ」


白い華奢な手が


俺の喉元に
触れる…


「ごめん…俺と別れて」

俺は
自然に
そう口にしていた


チワワの大きな目から
大粒の涙が
ポロポロと落ちてくる


「ハルト、あのヒトの事が好きなの?」


サクランボの
あのヒト



違う…


あのヒトは親父の



親父の…


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