きっと私の身体はジェリービーンズでできている。

「ハルトくん、ちょっといい?」


あのヒトが
部屋のドアを少し開けて

俺を呼んでいる


「…何?」


そっと

ドアのノブに
手をかけて開けると


あのヒトが
背中を向けて
立っている



「…ファスナー
あげてくれる?」


ざっくりと
開いた背中


白くて

曇りひとつない




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