きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
今夜行われる

親父の個展の
壮行パーティに行く為の

ドレス


チワワにはない
艶っぽい甘い匂いに


俺は
小さく息をのんでいた



今考えたら


それもサチの
計算通りだったのかもしれない


「ハルトくん…?」



仕掛けられた罠だと
わかっていても


その時の俺には
さけられなかった



そこからは
あまり覚えていない


気付いたら俺は


あのヒトの熱くなった
身体を


ひたすら求めて


セツナイ声を
出させる事に


…必死で

無我夢中だった


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