きっと私の身体はジェリービーンズでできている。
萎えた性欲を

無理矢理
引きずり出されるような日々に


俺は
疲れていた


ただ
その原因は
自分の過ちと身勝手さにあるのだという


あのヒトに対する
申し訳ない気持ちが


俺の首枷に
なっていた


様子が変な事を
察知して


親父が
俺の部屋を
訪れた


「お前、最近
絵は描いているのか」


散らかった部屋を
見渡すようにして
言う


「一応…描いてるよ」


気まずい気持ちが
全身を駆け巡った



「…見せてみろ」


視線をそらす俺に
親父は
少し微笑んで

言った


今考えると親父は


何もかも
知ってたのかも
しれない


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