俺と先生のイケナイ関係
「葵斗と一緒に登校しちゃまずいから、先に行くねー」

「うん」


バックにタバコをしまう澤田の顔を、ぼんやりと眺める。






澤田はいつもよりもバッチリ化粧していて…

髪を軽く巻き、前髪を後ろでピンでとめていた。



あれ…?

なんか足りない気が・・・あ。



「口紅…(?)」

「ん?」

「グロスってゆうんだっけ?…アレ今日塗ってなくね?」

「………!」


なんか足んないと思ったら・・
澤田は唇になんも塗ってなかったんだ…

いつもは唇がテカって、ラメでキラキラしてるのに…






「ああ、グロスね。学校行ってから塗るよー」

「…?なんで??」

「えーだって〜」

「・・・っ」


すると澤田が俺に顔を近づけて、軽くキスをしてきた。






「グロス塗ったら…葵斗の口についちゃうでしょ?」

「………!」

「よいしょ。じゃー行くね〜!送ってくれてありがとー、運転手さん♪帰りもよろしくね〜あはは」


笑いながら立ち上がり、俺に手を振って校庭の方へ歩いて行った澤田。



俺はタバコを吸うことも忘れて、その場で呆然としていた。








“グロス塗ったら…葵斗の口についちゃうでしょ?”
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