超硬派彼女

ほっとけよ

そしてある日のライブ終了後。


楽屋に戻る通路で義春が声を掛けてきた。


「おい健。なんだよ、最近のテメーのステージは。全然気合い入ってねーじゃねーかよ!せっかくメジャー行きが決まったっつーのに、このザマじゃおじゃんになっちまうだろうが!!」


「・・・・」


「大体曲もできてんのかよ。もうバンドはテメーだけのもんじゃねーんだからな!」


そこで袖にいた真琴が口を挟んだ。


「義春さん。健斗さんも今いろんなプレッシャーがあってツライと思うんで、それぐらいで勘弁してあげてください」


「チッ。真琴、オメーが甘やかすからいつまでもコイツがつけあがんだ。もうこんなヤツ、ほっとけよ!!」


そう吐き捨てると、義春は楽屋を出ていった。
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