超硬派彼女

てっぺん目指して

翌日、コルセットと眼帯という出で立ちでライブ会場に向かった俺は、楽屋に入るなりメンバーに向かってこう切り出した。


「みんな、今まで気のないライブをやって悪かった。これからは前みたいに気合い全開でいくんでよろしく頼む!」


「健・・・」


ここでリーダーの義春が声を上げた。


「よっしゃあ!いつもの健が戻ってきたことだし、こっからてっぺんまで一気に行こうぜ!」


「オッシャア!!」


俺たちは、昔大事なライブの日にはいつもやっていた円陣を久々に組んで、気合いを入れ直した。


楽屋の隅で気まずそうにしていた真琴にも声を掛けた。


「真琴。オメー、チビのくせにいいパンチもってやがんなぁ。おかげで目が覚めたぜ。メジャーのてっぺん連れてくからよぉ。そっからの景色、一緒に見ようぜ!!」


「健斗さん・・・」


涙ぐむ真琴の短い髪をぐしゃっと撫でて、俺はステージへと向かった。
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