ただその一言が言えなくて…
第一章 あの頃の四人を覚えていますか?
前嶋 幸 15歳
ここはF県 K市
都会でもなく、
かと言って田舎でもなく
普通の、ごく普通の街。
私は前嶋 幸。
15歳の今年高校受験を控えているにもかかわらず、
勉強に集中出来ないでいる。
「幸、あんた成績下がってるじゃない。
隣りの翔君を見習いなさい。」
ママはいつも言う。
『隣りの翔君』
名前を聞くだけで、
ドキッとする。
アタシ、何かおかしいよね。
ショウとは10年幼馴染みやってるけど
こんな気持ちになったのは
初めてだ。
苦しいような、
胸がつかえたような…。
…勉強に集中出来ないのは
このせい。
…もうすぐ卒業だからだね。
離れることがなかったから
あんな幼馴染みでも
離れることが
寂しく思ってしまうんだ。
「卒業か……」
『卒業』について考えてみる。
……無くても良いじゃん。
コウミとケンちゃんと
ショウとアタシ。
今までずっと一緒だったのに
『ソツギョウ』のせいで
皆ばらばらになってしまう。
……そんなの嫌だよ。
都会でもなく、
かと言って田舎でもなく
普通の、ごく普通の街。
私は前嶋 幸。
15歳の今年高校受験を控えているにもかかわらず、
勉強に集中出来ないでいる。
「幸、あんた成績下がってるじゃない。
隣りの翔君を見習いなさい。」
ママはいつも言う。
『隣りの翔君』
名前を聞くだけで、
ドキッとする。
アタシ、何かおかしいよね。
ショウとは10年幼馴染みやってるけど
こんな気持ちになったのは
初めてだ。
苦しいような、
胸がつかえたような…。
…勉強に集中出来ないのは
このせい。
…もうすぐ卒業だからだね。
離れることがなかったから
あんな幼馴染みでも
離れることが
寂しく思ってしまうんだ。
「卒業か……」
『卒業』について考えてみる。
……無くても良いじゃん。
コウミとケンちゃんと
ショウとアタシ。
今までずっと一緒だったのに
『ソツギョウ』のせいで
皆ばらばらになってしまう。
……そんなの嫌だよ。