ただその一言が言えなくて…
勉強だけが


私のここから逃げる


唯一の道だった。



必死で勉強した。


……必死で。




でも、学年トップには


なれなかった。



『山下 翔』



ショウがいたから。




初めてショウを見た時


こいつを抜けば


アタシは一番になれる、


と思った。




いつも


抜けなかった。


2年になって


一緒のクラスになった。


必然のように


学級委員に任命され


初めて


話した。



「原田さんはどうして勉強するの?」


…何で?



ここから逃げるため、


だよ。


「楼閣に入りたいの」


「俺も!一緒頑張ろ」


「そうね、頑張りましょ」



……こんなカンジ。



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