air
好かれてるんでしょうか
「そこのペン取って~」
「この青いの?」
「うんそれ、さんきゅ!」
学際期間が始まってからもう1週間が経とうとしている。
買い出し行った次の日からやっている作業は、いろんな色のペンで風船に模様を描くということ。
案外簡単そうに見えるけど、膨らました時に模様が大きすぎになってしまわないよう、細かく描くのが大変だったり。
だから未だにまだ一袋目も終わってない状態。
「郁の模様変ー」
「え、そう?」
「うん、貸してっ?」
そう言ってちなは児玉くんの隣に座って、児玉くんの持っていたペンと風船を取る。
"模様付け足すー"なんてニッコリ笑いながら、自分の足と児玉くんの足をぴったりと密着させる。
なんとも小悪魔。
だけどそんなちなの行動を何にも気にしていない児玉くん。
そしてそんな2人を見て微笑む真帆と沙織に、気にせず作業するあたしとフジ。
以前のあたしならイライラしていただろうけど、もうあたしの中にそんな感情は湧いてこない。
この雰囲気に慣れてしまったのが現実。