ツンデレの涙
雑誌を片っ端から読んでいる間にカラーも無事完了。
駅前にあるカレーショップ「あーる」に向かう。
街はすっかり春ムードだけど「あーる」だけは、いつも同じ気持ちで迎えてくれるような気がするの。
いつも座る場所は決まっていて、隅っこの席にはすでに俊が来ていた。
「おっ。意外に早かったなぁ」
5歳年上の俊はいつでも元気だ。
「うーん。そうかも~」
その分アタシはパッとしない。
「最近どう?調子良い?ちゃんと仕事やってるかぁ~」
「・・・まぁまぁかな」
相変わらず強引な感じの俊。それをすり抜けるアタシ。
いつからこんな感じに
なってしまったのだろう・・・
最初の数年は凄く楽しかった気がする。
俊がアタシより一足先に卒業してからも、ほぼ1週間のスケジュールはお互いに知ってもいたし、おやすみメールもしていた。
休みの前の日に会えない時は、窓の外が明るくなるまで長電話もしてた。
でも・・・
ここ1、2年で何かが変わってしまった。