ツンデレの涙

仕事帰り。


今日は早番でいつもよりも帰りが早い。

夜の8時だというのにまだ明るい気がする。

星の光り方も変わってきて、とっても身近に感じる。





「おーーーぃっ!みくーーっ!!」





・・・ん~?だれ?




振り返ると悠斗が走って来る。



すごく嬉しそうに。



まるで子犬のように走り寄って来る。





「あははっ。なんで走ってるの?」




はぁはぁ息を切らせながら話し出すのを抑えている悠斗。




「・・・っあ。お前歩くの早過ぎっ」

「え?なんか約束してたっけ?」




膝に手を掛けて、息を整えていた悠斗がゆっくり起き上がる。





「約束してないけどさー。ちょっと帰るのが見えたから追いかけた」



「っぷぷぷ。なにそれ?ばかじゃなぃ?」




あははははっ。
もぅ信じられないっ。
こんなんで走って来る?





・・・心が躍る・・・

クルックルッって動き出す。


動きに鈍感なアタシでも分かるぐらい、小さくちいさく動いているのがわかる。

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