嘘つきな彼女Ⅱ

「……」



車内には、気まずい沈黙。



言わなければよかった……。



「……っ、不意打ちはやめろっつーの」



小さな舌打ちの後、私に負けないくらいの小さな声が聞こえた。



蓮を盗み見ると、茶色い髪の隙間から覗く耳が赤くて。
< 256 / 378 >

この作品をシェア

pagetop