嘘つきな彼女Ⅱ

「少しでいいので、お時間頂けないでしょうか?」



あまりにしつこい勧誘に眉を寄せて、睨みつける。



……キャバか。



「すいません。私、売却済みです」



他の人がどうしているのかは分からない。



だけど、これで引き下がらないことは、今までの経験上、ない。



売却……って、まぁ、ちょっと違うこと考えられるかもしれないけど。



案の定、謝ってきた男と別れて、人混みの中を進んだ。
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