嘘つきな彼女Ⅱ


「やだ、離して」


「なんでだよ。夏休みだから全然会えないし、これからまた忙しくなるんだろ?」



それが私の仕事のことくらい、考えなくても分かる。



蓮はこうして私のためにいつも迎えに来てくれているから、私も……。



きっと真っ赤になっているであろう顔を気にしながらも、素直に蓮に身体を近づける。



田嶋さんがいるからそれ以上は私には無理だけど、ふたりの距離はいつもの半分くらいになったから、さすがの蓮も何も言ってこなかった。




……けど、部屋に入ったらこんな距離じゃ許してくれないだろうな。



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