飛べない黒猫
外から戻ったばかりのクロオは、ひんやりとして埃っぽい匂いがする。
蓮は洗面ボールに水を少し張って、クロオの足を洗った。
「こら、足、引っ込めるなって…」
ネコは水が嫌いだとよく聞くが、クロオはまさしくそれだった。
テレビの動物番組で、風呂に浸かるネコだとか、水遊びするネコが紹介されるがとんでもない話だ。
ちょっと、足先に水がついただけで大騒ぎだ。
「おまえ、過保護すぎるんじゃねーの?
このくらいの水にビビるなよ、オトコだろ?
…あ、女の子か。」
前脚を洗い終わり、タオルで拭き取る。
次は後ろ脚をつかみ、水に浸す。
クロオは嫌がり蓮の肩にしがみついてくる。
「あー、爪っ、痛いから…もぅ!」
なんとか洗い終わり、洗面ボールの水を抜く。
クロオは何ごともなかったように、蓮の足元で濡れた前脚を舐めている。
「あっちの3人は…どうなったかな。
見てこいクロオ…」
予想通り、クロオは知らん顔。
「親子水入らずで、真央の回復を喜んでいるんだ。
なんか、俺が居たら場違いだろう…」
しゃがんでクロオの頭を人差し指で撫でる。
「お前も気い使ってんの?
いつも、真っ先に真央のトコへ行くくせに。」
クロオは舐めてた前脚をもどし、今度は蓮の指先をペロペロ舐めだした。
「なんだよ、俺の肩、引っ掻いたくせに。
みみず腫れになって、かゆいんだぜ。
お前に引っ掻かれると…
いまさら媚びても遅いから。」
クロオは蓮を見てニャアと鳴いた。
蓮は洗面ボールに水を少し張って、クロオの足を洗った。
「こら、足、引っ込めるなって…」
ネコは水が嫌いだとよく聞くが、クロオはまさしくそれだった。
テレビの動物番組で、風呂に浸かるネコだとか、水遊びするネコが紹介されるがとんでもない話だ。
ちょっと、足先に水がついただけで大騒ぎだ。
「おまえ、過保護すぎるんじゃねーの?
このくらいの水にビビるなよ、オトコだろ?
…あ、女の子か。」
前脚を洗い終わり、タオルで拭き取る。
次は後ろ脚をつかみ、水に浸す。
クロオは嫌がり蓮の肩にしがみついてくる。
「あー、爪っ、痛いから…もぅ!」
なんとか洗い終わり、洗面ボールの水を抜く。
クロオは何ごともなかったように、蓮の足元で濡れた前脚を舐めている。
「あっちの3人は…どうなったかな。
見てこいクロオ…」
予想通り、クロオは知らん顔。
「親子水入らずで、真央の回復を喜んでいるんだ。
なんか、俺が居たら場違いだろう…」
しゃがんでクロオの頭を人差し指で撫でる。
「お前も気い使ってんの?
いつも、真っ先に真央のトコへ行くくせに。」
クロオは舐めてた前脚をもどし、今度は蓮の指先をペロペロ舐めだした。
「なんだよ、俺の肩、引っ掻いたくせに。
みみず腫れになって、かゆいんだぜ。
お前に引っ掻かれると…
いまさら媚びても遅いから。」
クロオは蓮を見てニャアと鳴いた。