飛べない黒猫
いとこの美香だった。
キャバ嬢のように盛った巻き毛と、真っ黒に描きこまれた目のメイクで、最初は誰だったかと戸惑ってしまった。
美香の後ろには直哉がいて、両手をポケットに入れ無愛想に頭だけ下げた。
「あ…こんにちは。」
蓮は後ろに向き直り、2人にむかって微笑んだ。
なんだ、俺…ちゃんと愛想笑い出来るじゃん。
「きゃぁ、ステキっ!
蓮さんがタキシード着るとモデルみたいだわ。」
「はは…そりゃどうも。
君たちも来てくれたんだね、ありがとう。」
「僕たちはいとこ同士だから。
いとこは他にも数人いるけど、みんな歳が離れているんです。
若者は僕たちだけだし、仲良くしたいと思って。」
直哉がチラリと真央を見てボソッと言った。
「そーなの。
だから小さい時から親戚が集まると、私達がいつも真央ちゃんと遊んでいたのよ。
ほらぁ、真央ちゃん、ひとりっ子でシャイだから、あたしが声かけてあげてね。
でも、おじさまが再婚して、こんなステキなお兄さんが出来て…
いいなぁ、真央ちゃん。
ほぉんと、羨ましいなって美香思ってたんだから…
だって、美香のお兄ちゃんのスーツ姿なんて七五三みたいだもん。
もぅ、どんまいってカンジでしょ?」
機関銃のように息継ぎが無い美香の言葉に思わず絶句、相づちもうたずにいた。
横目で真央を見ると、美香が“真央ちゃん”と名前を言う度に、ピクリと固まる。
蓮は思わずクスッと笑ってしまった。
真央はこの子が苦手なのだ。
「なんだよ、美香。
俺のスーツ姿がどーこーなんて、余計なお世話だろ。
ほんと、お前うるさい…」
直哉が美香を肘で押しやる。
そして、蓮と向き合った。
キャバ嬢のように盛った巻き毛と、真っ黒に描きこまれた目のメイクで、最初は誰だったかと戸惑ってしまった。
美香の後ろには直哉がいて、両手をポケットに入れ無愛想に頭だけ下げた。
「あ…こんにちは。」
蓮は後ろに向き直り、2人にむかって微笑んだ。
なんだ、俺…ちゃんと愛想笑い出来るじゃん。
「きゃぁ、ステキっ!
蓮さんがタキシード着るとモデルみたいだわ。」
「はは…そりゃどうも。
君たちも来てくれたんだね、ありがとう。」
「僕たちはいとこ同士だから。
いとこは他にも数人いるけど、みんな歳が離れているんです。
若者は僕たちだけだし、仲良くしたいと思って。」
直哉がチラリと真央を見てボソッと言った。
「そーなの。
だから小さい時から親戚が集まると、私達がいつも真央ちゃんと遊んでいたのよ。
ほらぁ、真央ちゃん、ひとりっ子でシャイだから、あたしが声かけてあげてね。
でも、おじさまが再婚して、こんなステキなお兄さんが出来て…
いいなぁ、真央ちゃん。
ほぉんと、羨ましいなって美香思ってたんだから…
だって、美香のお兄ちゃんのスーツ姿なんて七五三みたいだもん。
もぅ、どんまいってカンジでしょ?」
機関銃のように息継ぎが無い美香の言葉に思わず絶句、相づちもうたずにいた。
横目で真央を見ると、美香が“真央ちゃん”と名前を言う度に、ピクリと固まる。
蓮は思わずクスッと笑ってしまった。
真央はこの子が苦手なのだ。
「なんだよ、美香。
俺のスーツ姿がどーこーなんて、余計なお世話だろ。
ほんと、お前うるさい…」
直哉が美香を肘で押しやる。
そして、蓮と向き合った。