飛べない黒猫
メイド喫茶は盛況で、飲み物以外の軽食(市販のハンバーガーやサッンドイッチ)も順調に売れていた。
直哉と美香は奥の窓際の席で、2人向かい合い早めの昼食を取っていた。
「あ、蓮さんと真央…
おぶさってるな、具合治らなかったんだ。」
蓮が真央をおぶって、グラウンドのフェンス寄りを正門に向かって歩いている。
「あーあ、帰っちゃった…
一緒にここでお昼食べる予定だったのに。
もう!なんで、お兄ちゃんと2人向かい合ってごはん食べなきゃなんないのよぉ。」
「だから、俺は一人で食うからイイって言っただろ?」
「だって!蓮さんとまわるから、友達と約束してなかったンだもん…」
美香は不機嫌にハンバーガーにかじりつく。
「ねぇ、おにいちゃん、帰り真央の家に行ってみない?」
「…なんで?」
「真央の様子も気になるし…」
美香が口ごもる。
直哉は氷で薄まったコーラを一口飲んで美香を見た。
「蓮さんに会いたいの?」
美香は顔を赤らめる。
「蓮さんは…やめとけ。」
深刻な直哉の表情に、美香も真顔で怪訝そうに聞き返した。
「…なんで?」
恋愛の気持ちは、盛り上がってしまうと収まりがつかない。
早いうちの方が、諦めるのも楽なはず…
直哉は父親から聞いた話を、小声で美香に話して聞かせた。
直哉と美香は奥の窓際の席で、2人向かい合い早めの昼食を取っていた。
「あ、蓮さんと真央…
おぶさってるな、具合治らなかったんだ。」
蓮が真央をおぶって、グラウンドのフェンス寄りを正門に向かって歩いている。
「あーあ、帰っちゃった…
一緒にここでお昼食べる予定だったのに。
もう!なんで、お兄ちゃんと2人向かい合ってごはん食べなきゃなんないのよぉ。」
「だから、俺は一人で食うからイイって言っただろ?」
「だって!蓮さんとまわるから、友達と約束してなかったンだもん…」
美香は不機嫌にハンバーガーにかじりつく。
「ねぇ、おにいちゃん、帰り真央の家に行ってみない?」
「…なんで?」
「真央の様子も気になるし…」
美香が口ごもる。
直哉は氷で薄まったコーラを一口飲んで美香を見た。
「蓮さんに会いたいの?」
美香は顔を赤らめる。
「蓮さんは…やめとけ。」
深刻な直哉の表情に、美香も真顔で怪訝そうに聞き返した。
「…なんで?」
恋愛の気持ちは、盛り上がってしまうと収まりがつかない。
早いうちの方が、諦めるのも楽なはず…
直哉は父親から聞いた話を、小声で美香に話して聞かせた。