飛べない黒猫
青田は蓮を某然と見つめ電話の応対を続ける。
「はい…はい、わかりました。
はい、ありがとうございます。
…よろしくお願いします。」
電話を切っても、某然と立ったまま何も言わない。
蓮は恐る恐る尋ねた。
「何か…あったのですか?」
買い物袋を持って、真央も居間へやって来た。
立ち尽くす2人を交互に見て、不思議そうに首を傾げた。
「信じられない…蓮くん!真央!
入賞だ…
特別賞って言ってた。」
「えっ…
入賞?
…コンクールに?
えぇーっ‼
すごいっ、真央!入賞だ!」
世界の名のある芸術家達でさえ、なかなか入賞を許さない狭き門。
真央の才能は特別だったのだ。
未知なる可能性をおおいに秘めた逸材なのだ。
岡田と蓮は興奮し喜びを共有しあった。
「あぁ…真央、おめでとう。
お父さんは、嬉し過ぎて言葉も出ない。」
真央はキョトンとして、それから少し照れた。
「えへへ、ありがと。」
ちょっと待て…
今回のコンクールの規模、伝えたよな。
入賞することの意味、伝えたよな。
「あ、お腹減ったよね?
今日は真央特製チーズパスタだよ。」
そう言って真央は、パタパタとキッチンへ走る。
…駄目だ、わかってない。
真央、それどころじゃないだろう?
青田と蓮は顔を見合わせた。
「早くも、大物の風格…」
真顔でつぶやく青田に、蓮もうなずいた。
「はい…はい、わかりました。
はい、ありがとうございます。
…よろしくお願いします。」
電話を切っても、某然と立ったまま何も言わない。
蓮は恐る恐る尋ねた。
「何か…あったのですか?」
買い物袋を持って、真央も居間へやって来た。
立ち尽くす2人を交互に見て、不思議そうに首を傾げた。
「信じられない…蓮くん!真央!
入賞だ…
特別賞って言ってた。」
「えっ…
入賞?
…コンクールに?
えぇーっ‼
すごいっ、真央!入賞だ!」
世界の名のある芸術家達でさえ、なかなか入賞を許さない狭き門。
真央の才能は特別だったのだ。
未知なる可能性をおおいに秘めた逸材なのだ。
岡田と蓮は興奮し喜びを共有しあった。
「あぁ…真央、おめでとう。
お父さんは、嬉し過ぎて言葉も出ない。」
真央はキョトンとして、それから少し照れた。
「えへへ、ありがと。」
ちょっと待て…
今回のコンクールの規模、伝えたよな。
入賞することの意味、伝えたよな。
「あ、お腹減ったよね?
今日は真央特製チーズパスタだよ。」
そう言って真央は、パタパタとキッチンへ走る。
…駄目だ、わかってない。
真央、それどころじゃないだろう?
青田と蓮は顔を見合わせた。
「早くも、大物の風格…」
真顔でつぶやく青田に、蓮もうなずいた。