飛べない黒猫
このコンクールへの応募は、世間の厳しさも知るべきと考えての出品で、入選するなんて正直全く考えていなかった。
今回は世界規模であり、前回のような国内でおこなう、ある意味フレンドリーなコンクールとは訳が違う。
日本では入選したけど、やっぱり世界のレベルは高いね、今回は残念だったけど、もっと色々勉強してまた挑戦しよう…そう言って、真央に目標を持たせるのも良いと思い、勧めたのだ。
真央はこれを期に、芸術への道へ進むことになるのか。
まだ、リハビリ段階の真央の精神が、才能という重圧な重さに耐えられるのかと不安がよぎる。
いや…考えすぎだ。
入賞したとはいえ、真央はまだ16歳。
あと数年は、今のままの穏やかな暮らしの中で、大人になる準備をしていくだろう。
だが、その不安は数日後に的中した。
真央の状況を知った主催者側から、ある提案がなされた。
真央にフランスの美術大学へ特待生として留学しないかというのだ。
そして、ステンドグラス教室で講師として手伝ってくれるのであれば、生活費も免除したいという申し出だった。
提案内容は、申し分ない好条件で、またとないチャンス。
真央にとっても、いい機会になるはずだ。
本場の芸術に触れ、専門的な知識を充分に得ることが出来るのだ。
「返事をするまで、まだ間があるから。
真央はどうしてみたいのか、よく、考えてごらん。
ここからは、真央が決めるのだよ。
真央の人生なんだ。
どうするにしても、お父さんは真央を応援していくからね。
真央が幸せであることが、お父さんの幸せなんだよ。」
青田は、留学の話しをした後、そう真央に言った。
真央はじっと青田の話しを聞いていた。
「よく、考えてみる…」
小さな声で、不安げに言った。
今回は世界規模であり、前回のような国内でおこなう、ある意味フレンドリーなコンクールとは訳が違う。
日本では入選したけど、やっぱり世界のレベルは高いね、今回は残念だったけど、もっと色々勉強してまた挑戦しよう…そう言って、真央に目標を持たせるのも良いと思い、勧めたのだ。
真央はこれを期に、芸術への道へ進むことになるのか。
まだ、リハビリ段階の真央の精神が、才能という重圧な重さに耐えられるのかと不安がよぎる。
いや…考えすぎだ。
入賞したとはいえ、真央はまだ16歳。
あと数年は、今のままの穏やかな暮らしの中で、大人になる準備をしていくだろう。
だが、その不安は数日後に的中した。
真央の状況を知った主催者側から、ある提案がなされた。
真央にフランスの美術大学へ特待生として留学しないかというのだ。
そして、ステンドグラス教室で講師として手伝ってくれるのであれば、生活費も免除したいという申し出だった。
提案内容は、申し分ない好条件で、またとないチャンス。
真央にとっても、いい機会になるはずだ。
本場の芸術に触れ、専門的な知識を充分に得ることが出来るのだ。
「返事をするまで、まだ間があるから。
真央はどうしてみたいのか、よく、考えてごらん。
ここからは、真央が決めるのだよ。
真央の人生なんだ。
どうするにしても、お父さんは真央を応援していくからね。
真央が幸せであることが、お父さんの幸せなんだよ。」
青田は、留学の話しをした後、そう真央に言った。
真央はじっと青田の話しを聞いていた。
「よく、考えてみる…」
小さな声で、不安げに言った。