飛べない黒猫
食事が済みケーキを食べている真央に洋子が話しかけた。
「あのね、真央ちゃん、これクリスマスプレゼントなの…
気に入ってくれれば嬉しいのだけれど。」
バッグに忍ばせていた赤い箱を取りだし真央に差し出した。
真央は少し驚いた顔をしたが、ニコリと微笑んで受け取り、父親の顔をチラリと見た。
「うん、開けてみてごらん」
リボンを外し包みをあけ、中を見た。
「クロオちゃんを形取ったストラップと、クロオちゃんの首輪なの…」
ぱぁっと真央の表情が和らぐ。
首輪を手に取り立ち上がって、暖炉に寝そべるクロオに歩み寄ってしゃがみ込んだ。
抱き上げて連れてきたクロオの首には、赤い首輪が付けられている。
「ほぅ、良く似合ってるじゃないか、クロオ。
女の子らしくなって嬉しいねぇ。」
青田は笑いながらクロオの頭を撫でた。
首に張り付いた違和感が気になるクロオは、片足を蹴り上げて首を掻こうとする。
抱きかかえられていて、うまくバランスが取れないので、足は宙で空回り。
その仕草がかわいらしく、皆、声をあげて笑った。
真央の反応が思いのほか良かった為、はしゃいだ洋子は振り向き際にグラスを倒してしまった。
「きゃ、ごめんなさいっ!」
慌ててクラスを戻したが、白いテーブルクロスにワインが広がった。
「あら、あら…お洋服は大丈夫ですか?」
和野が布巾を手に洋子へ駆け寄った。
「洋服にはかかっていません、大丈夫です。
あぁ、ごめんなさい、クロスが台無し…」
「洗えばキレイに落ちますから、お気になさらずに。
さぁ、では、ソファーの方で、ゆっくりお酒を召し上がって下さ…あっ、真央さん!」
皆が、いっせいに真央を見た。
真央は赤く染まったテーブルクロスを見つめ、真っ青になって震えていた。
見開いた目からは涙が溢れている。
真央が、ふらっと揺れた瞬間、蓮は「危ない」と声を出すのと同時に真央を抱き止めていた。
「あのね、真央ちゃん、これクリスマスプレゼントなの…
気に入ってくれれば嬉しいのだけれど。」
バッグに忍ばせていた赤い箱を取りだし真央に差し出した。
真央は少し驚いた顔をしたが、ニコリと微笑んで受け取り、父親の顔をチラリと見た。
「うん、開けてみてごらん」
リボンを外し包みをあけ、中を見た。
「クロオちゃんを形取ったストラップと、クロオちゃんの首輪なの…」
ぱぁっと真央の表情が和らぐ。
首輪を手に取り立ち上がって、暖炉に寝そべるクロオに歩み寄ってしゃがみ込んだ。
抱き上げて連れてきたクロオの首には、赤い首輪が付けられている。
「ほぅ、良く似合ってるじゃないか、クロオ。
女の子らしくなって嬉しいねぇ。」
青田は笑いながらクロオの頭を撫でた。
首に張り付いた違和感が気になるクロオは、片足を蹴り上げて首を掻こうとする。
抱きかかえられていて、うまくバランスが取れないので、足は宙で空回り。
その仕草がかわいらしく、皆、声をあげて笑った。
真央の反応が思いのほか良かった為、はしゃいだ洋子は振り向き際にグラスを倒してしまった。
「きゃ、ごめんなさいっ!」
慌ててクラスを戻したが、白いテーブルクロスにワインが広がった。
「あら、あら…お洋服は大丈夫ですか?」
和野が布巾を手に洋子へ駆け寄った。
「洋服にはかかっていません、大丈夫です。
あぁ、ごめんなさい、クロスが台無し…」
「洗えばキレイに落ちますから、お気になさらずに。
さぁ、では、ソファーの方で、ゆっくりお酒を召し上がって下さ…あっ、真央さん!」
皆が、いっせいに真央を見た。
真央は赤く染まったテーブルクロスを見つめ、真っ青になって震えていた。
見開いた目からは涙が溢れている。
真央が、ふらっと揺れた瞬間、蓮は「危ない」と声を出すのと同時に真央を抱き止めていた。