飛べない黒猫
蓮は部屋に戻って仕事の続きを始めたが、なんとなく真央の曇った顔が気になり、キーボードを叩く指を止めた。

マウスで画面を変えて、真央にメールを打った。


メールのやり取りは、日に1回だったり2回だったり。
他愛ない内容だったが、毎日続いている。



件名 明日
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無理しない方がいい。

叔父さん夫婦が苦手?
それとも、いとこ兄妹?

お父さんも気を使ってたから…
岡田家とは、あんまり仲良くないのかなと思って。




送信してまもなく、返事が届く。



件名 気が重いです
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叔父さんは、私の事が嫌いです、きっと。

私を精神障害者と言います。
突き放すような、冷たい目で見ます。

いとこの直哉くんも美香ちゃんも、2人で私をイジメます。
バカにします。
(小学校の時だけど)

だから、本当は会いたくないです。

でも…お父さんが困るから、少しだけ顔を出してみようと思ってます。




ああああっ!?
なんだ、こいつら…

カッとしたが、ひと呼吸おく。

真央に対しての返事だから…。
あくまでも、大人のコメントで。




件名 まかせとけ
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そうか、わかった。

じゃあ、俺がずっとそばにいて邪悪な魔の手から君を守ってあげます!
クロオと共に!

だから、安心して。

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