飛べない黒猫
「それが…」
蓮は言葉に詰まった。
喜んでいるようではあったが、ケロッとしてるというか…
あまり関心を示さなかった。
「経験の無い事だったし、不安そうにしていたのかな?」
蓮が言い淀んだ事で、青田は余計に心配しているようだった。
「あ、いえ、そうじゃないんです。
すごい事だっていうのが、分かってないのかもしれません。
最初に伝えた時はキョトンとしていて…
あ、でも、笑っていたので喜んでいると思います。」
「出かけているあいだの真央ちゃんの様子は?
コンクールの話とかしたのよね?」
「…ん。
コンクールの事とか、グランプリの話をしても、そっけなくて。
次に食べに行くアイスクリームの話をした時の方が、遙かに反応良かったかも…」
あははは、こりゃいい!
青田が大笑いした。
「なかなか肝が据わってるじゃないか。
いいね、大物になるよ。
芸術家気質だね、真央は…。」
青田は上機嫌だった。
笑い声で目が覚めたのか、真央がぼーっとした顔で起き上がった。
ソファーにすわったまま、笑い合っている3人を見ている。
「よく寝ていたね、目は覚めたかい?」
真央はゴシゴシ目を擦り、うなずいた。
テーブルに置いていた花束を持って、青田は真央の横に座った。
「おめでとう真央。」
真央は目を閉じて、花の香りを嗅ぐ。
「君は、もう立派な芸術家なんだよ。」
父親の顔を見て微笑んではいるが、反応は特になかった。
蓮は言葉に詰まった。
喜んでいるようではあったが、ケロッとしてるというか…
あまり関心を示さなかった。
「経験の無い事だったし、不安そうにしていたのかな?」
蓮が言い淀んだ事で、青田は余計に心配しているようだった。
「あ、いえ、そうじゃないんです。
すごい事だっていうのが、分かってないのかもしれません。
最初に伝えた時はキョトンとしていて…
あ、でも、笑っていたので喜んでいると思います。」
「出かけているあいだの真央ちゃんの様子は?
コンクールの話とかしたのよね?」
「…ん。
コンクールの事とか、グランプリの話をしても、そっけなくて。
次に食べに行くアイスクリームの話をした時の方が、遙かに反応良かったかも…」
あははは、こりゃいい!
青田が大笑いした。
「なかなか肝が据わってるじゃないか。
いいね、大物になるよ。
芸術家気質だね、真央は…。」
青田は上機嫌だった。
笑い声で目が覚めたのか、真央がぼーっとした顔で起き上がった。
ソファーにすわったまま、笑い合っている3人を見ている。
「よく寝ていたね、目は覚めたかい?」
真央はゴシゴシ目を擦り、うなずいた。
テーブルに置いていた花束を持って、青田は真央の横に座った。
「おめでとう真央。」
真央は目を閉じて、花の香りを嗅ぐ。
「君は、もう立派な芸術家なんだよ。」
父親の顔を見て微笑んではいるが、反応は特になかった。