Rose of blood *short story*
城の自室に着くまでの間会話は一つもなかった。
俺たちの変な空気を感じ取ったのか、部屋でルナとリオの面倒を見ていたラキは2人を連れて部屋を出て行った。
『酒は飲まないんじゃなかったの?』
「……気分が変わったの」
『何か気に障ることをしたなら言ってくれ。何を怒っているのか分からない』
俺がため息を吐きながらソファーに腰掛けると、ローズは何も言わずに寝室へと向かった。
寝室まで追いかけ腕を掴み振り向かせると、ローズの目からは涙が流れていた。
『ローズ?』
「仕事が忙しくて一緒にいられないのはしょうがないと思う。付き合いでパーティーに参加してるのもしょうがないと思うッッだけどッッ……」
俺の手を振りほどくと、自分の手で顔を覆ってしまった。
そして声を我慢するかのように泣いている。
「ごめんなさい…シエルを困らせたいわけじゃないの。だけどッッ嫌だったのッッ」
『嫌だった?』
「シエルが何とも思ってなかったとしても、女性にベタベタ触らせないでッッ……あの程度の事でこんな事言うなんて子供ッだよねッッ」
涙を流しながら必死に喋っているローズの体を抱きしめた。
俺たちの変な空気を感じ取ったのか、部屋でルナとリオの面倒を見ていたラキは2人を連れて部屋を出て行った。
『酒は飲まないんじゃなかったの?』
「……気分が変わったの」
『何か気に障ることをしたなら言ってくれ。何を怒っているのか分からない』
俺がため息を吐きながらソファーに腰掛けると、ローズは何も言わずに寝室へと向かった。
寝室まで追いかけ腕を掴み振り向かせると、ローズの目からは涙が流れていた。
『ローズ?』
「仕事が忙しくて一緒にいられないのはしょうがないと思う。付き合いでパーティーに参加してるのもしょうがないと思うッッだけどッッ……」
俺の手を振りほどくと、自分の手で顔を覆ってしまった。
そして声を我慢するかのように泣いている。
「ごめんなさい…シエルを困らせたいわけじゃないの。だけどッッ嫌だったのッッ」
『嫌だった?』
「シエルが何とも思ってなかったとしても、女性にベタベタ触らせないでッッ……あの程度の事でこんな事言うなんて子供ッだよねッッ」
涙を流しながら必死に喋っているローズの体を抱きしめた。