Rose of blood *short story*
先生は辛そうな笑みを向け、口を開いた。



『実は…家族に反対されているんです』

「…どうして?」

『私の一族は代々医者で、結婚も親が医者のお嬢さんと…というのが決まりだそうです』



純血は純血同士と…と決められているのと同じなんだ。


先生の気持ちが痛いほど分かる。


私も瑠花の時はシエルとの身分の差で辛い想いをした。



「それでも、先生は彼女のことを愛しているんでしょう?」

『勿論です。誰が何と言おうと彼女以外考えられません』

「彼女とはちゃんと会えているの?」

『はい。このお城で働いておりますから』

「!?」



私の驚いた顔を見ると、先生は笑みを零した。


まさか彼女がお城で働いているとは思わなかった。



『お互い仕事中ですから、ゆっくり話はできませんが、時間があれば顔を合わせるようにしています』

「お互いのことを尊重し合える素敵な関係ね」

『ですが、ローズ様のご出産が終わられたら、私はお城の専医を辞めるかもしれません』

「え…?」






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