Rose of blood *short story*
先生はとても辛そうな顔をしていた。


きっとお城の専医を辞めるかもしれないというのは、先生の意思ではないんだろうと思った。



『私たちが会わないように、両親から彼女にお城の使用人を辞めてもらうと言われました。彼女がお城で働いている理由を知っているので、そうなることは絶対に避けたいのです』

「そんなの…酷すぎる……。私に何かできることはない?」

『ローズ様、ありがとうございます。お気持ちだけで十分でございます』



笑顔を見せる先生。


だけど先生の目はとても悲しそうだった。



『ローズ様!?』

「えっ…あっ…ごめんなさい」



私は思わず涙を流してしまい、先生を困らせてしまった。


私は急いで涙を拭ったが、涙は何故だか止まってくれない。


瑠花の時の気持ちを思い出してしまったからからかもしれない。






< 17 / 135 >

この作品をシェア

pagetop