Rose of blood *short story*
楽しい時間はあっという間に過ぎ、お別れの時間がやってきた。
執務室の直ぐ隣にある、今は使われていない資料室に来ている。
「本当に…もう帰っちゃうの?」
「そんな顔しないの。私たちまで泣きそうになってしまうわ…」
『シエルさんの話では、私たちの世界とこちらの世界をいつでも行き来できるようにしてくれているそうだ。だからまた直ぐに会える』
「…うん」
使われていない資料室の鏡と、異世界で使っていた私の部屋の鏡をシエルが行き来出来るように空間を繋げてくれた。
位の高いバンパイアでも難しい業。
シエルが私の為に忙しい中繋げてくれた道。
『ローズ、今度は子供たちも連れて異世界にいるご両親の元を訪れよう』
「…うん」
『元気でね』
私は最後にパパとママと抱擁を交わし、鏡の中に入っていくのを見送った。
見えなくなるまで。
「シエル、本当にありがとう」
『ローズの幸せは俺の幸せでもある。嬉しそうな顔が見れて良かったよ』
「シエルの傍にいる限り、私はずっと幸せよ」
私は自らシエルの唇に自分の唇を重ねた。
愛する私の夫シエル…これからもずっとずっと一緒よ…。
fin.
執務室の直ぐ隣にある、今は使われていない資料室に来ている。
「本当に…もう帰っちゃうの?」
「そんな顔しないの。私たちまで泣きそうになってしまうわ…」
『シエルさんの話では、私たちの世界とこちらの世界をいつでも行き来できるようにしてくれているそうだ。だからまた直ぐに会える』
「…うん」
使われていない資料室の鏡と、異世界で使っていた私の部屋の鏡をシエルが行き来出来るように空間を繋げてくれた。
位の高いバンパイアでも難しい業。
シエルが私の為に忙しい中繋げてくれた道。
『ローズ、今度は子供たちも連れて異世界にいるご両親の元を訪れよう』
「…うん」
『元気でね』
私は最後にパパとママと抱擁を交わし、鏡の中に入っていくのを見送った。
見えなくなるまで。
「シエル、本当にありがとう」
『ローズの幸せは俺の幸せでもある。嬉しそうな顔が見れて良かったよ』
「シエルの傍にいる限り、私はずっと幸せよ」
私は自らシエルの唇に自分の唇を重ねた。
愛する私の夫シエル…これからもずっとずっと一緒よ…。
fin.