Rose of blood *short story*
俺は今更ながら自分の馬鹿さ加減に呆れ頭を抱えた。



『ローズは何も悪くない…俺自身の問題でローズを傷付けてしまった。………男の嫉妬とはみっともないものだな』

『……シエルをここまで悩ませることが出来るのはきっとローズだけだな』

『あぁ…誰かを愛するということは幸せでもあり、同時に悩ましいことなんだな』



俺が苦笑いをするとジョシュは温かい笑顔で返してくれた。


親友だが、兄のような存在でもあるジョシュには、いつも助けられっぱなしだ。



『当の本人以外はシエルのローズへの想いに気付いている。どうやら我が妹は自分の事に関しては疎いようだ』

『全くだな』



俺たちは顔を見合せ笑った。


ジョシュのお陰で気持ちの整理がついたような気がする。







明日、ローズに会いに行こう…そう決心した。






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