Rose of blood *short story*
*****


ドアをノックすると愛らしい声が返ってきた。


部屋に入り俺の顔を見るなり、ローズは驚きの表情になり直ぐ様その顔は泣きそうな表情に変わった。



「…シエル」

『連絡もなしに来て迷惑だったか?』



涙を必死に我慢し、大きく首を横にふるローズを見て、申し訳なく思ったが愛しいとも思った。



「よ、よければ、そこのソファーにかけて」

『いや…今日は伝えたいことがあって来ただけなんだ』



俺の言葉に不安そうな顔をするローズ。


きっとよくない話をされると思っているんだろう。


そんな顔をされると無理にでも自分のものにしたいと思ってしまう。






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