Rose of blood *short story*
異世界
『話って何?』
『ローズの異世界のご両親についてだ』
ローズは異世界で自分と関わった者から自分の記憶を消した方がいいと言った。
俺もそうする事が一番いいと思う。
だが、ローズの気持ちを考えると自信をもってそれが最善の策だとは言い難い。
『今すぐにでも作業に取りかかりたいんだけど。ローズにも報告しなければいけないしね』
『その作業だが…もう少し待ってくれないか』
『…どのくらい?』
『一月…いや、二週間』
ジェイドは俺の目を真っ直ぐと見ると、納得したような笑みを見せる。
『シエルの事だ、何か考えがあってのことだろう?』
『あぁ』
『ローズにご両親のことを聞かれたら上手く誤魔化すとしよう』
『ありがとう…無理を言ってすまない』
『本当だよ。でもシエルが無理を言う時は決まってローズが絡んでいるから、私も聞いてしまう』
そう言うとジェイドは笑いながら部屋を出ていった。
ジェイドのローズへの想いは未だに薄れてはいないだろう。
愛する女の婚約者にこんな頼みをされても、笑顔で引き受けてくれるジェイドには頭が上がらない。
『ローズの異世界のご両親についてだ』
ローズは異世界で自分と関わった者から自分の記憶を消した方がいいと言った。
俺もそうする事が一番いいと思う。
だが、ローズの気持ちを考えると自信をもってそれが最善の策だとは言い難い。
『今すぐにでも作業に取りかかりたいんだけど。ローズにも報告しなければいけないしね』
『その作業だが…もう少し待ってくれないか』
『…どのくらい?』
『一月…いや、二週間』
ジェイドは俺の目を真っ直ぐと見ると、納得したような笑みを見せる。
『シエルの事だ、何か考えがあってのことだろう?』
『あぁ』
『ローズにご両親のことを聞かれたら上手く誤魔化すとしよう』
『ありがとう…無理を言ってすまない』
『本当だよ。でもシエルが無理を言う時は決まってローズが絡んでいるから、私も聞いてしまう』
そう言うとジェイドは笑いながら部屋を出ていった。
ジェイドのローズへの想いは未だに薄れてはいないだろう。
愛する女の婚約者にこんな頼みをされても、笑顔で引き受けてくれるジェイドには頭が上がらない。