Rose of blood *short story*
野菜やら肉が並び、ローズが野菜を鍋の中に入れていく。


たまに調理場を借りて料理を作って持って来てくれるが、目の前でしてもらうのは初めてで嬉しかった。


ローズは楽しそうに野菜を並べている。



『肉は入れなくていいのか?』

「お肉はまだなの」

『それはこちらでの習慣なのか?』

「習慣?」

『鍋は野菜から食べるという習慣だ』

「普通のお鍋は野菜もお肉も一緒に入れるよ」



これは普通の鍋ではないということなのか?


まだよく分からないが、料理は美味しそうだ。


良い香りが鼻をくすぐる。



「そろそろいいかな」

『もう食べていいのか』

「うん、でもちょっと待って」



ローズは箸で肉を挟み「見ててね」と言った。






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