Rose of blood *short story*
ローズは挟んだ肉を鍋に入れると、ゆっくり箸を動かした。


箸の動きに合わせて肉も揺れている。


そして直ぐ肉を持った箸を引き上げた。



「これがしゃぶしゃぶだよ」

『これが?』

「お肉をお鍋の中に入れて、好きなところで出して食べるの」



そう言ってタレつけた肉を俺の口元に運ぶローズ。


口を開けると恥ずかしそうに食べさせてくれた。



『美味しいよ』

「本当?良かったぁ」

『ローズが食べさせてくれたからかもしれないな』



俺の言葉に更に顔を赤くしてしまった。


こういう反応をするからローズをからかいたくなる。


こんなにゆっくり2人で食事を摂るのはいつぶりだろう。


ローズといると仕事の疲れなど忘れてしまう。







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