Rose of blood *short story*
和やかな雰囲気の中食事を摂っていると、テーブルの上に置いていた携帯と呼ばれるものが突然振るえだした。


ローズは慣れた手つきで携帯を開き、ボタンを押すと耳に当てた。



「どうしたの?今日の夜?」



少し困ったような顔をして、俺の顔を見てくる。


何かあったんだろうか。



「ちょっと待って」

『何かあったのか?』

「パパが今日の夜同じ職場の人からパーティーに呼ばれてるから、良かったらこないかって」

『ローズはどうしたいんだい?』

「私は…そうね、その人からは小さい頃からお世話になってるから挨拶だけでもできればって思ってる」

『それなら少し顔を出して帰ろう』

「ありがとう」



ローズは再び携帯に向かって話を始めた。


表情を見る限り、お父上も喜んでいるんだろう。


それはそうだな。


少しでも多くローズと過ごしたいだろうからな。






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