嘘っぱち☆うぇでぃんぐ
荷物を取るフリして立ち上がり
下を見ると
瑛菜と留萌が笑いながら喋っていた。
ふと、視線を感じたのが
留萌が顔を上げ
あたしと目が合うとすぐに瑛菜の方を見た。
『あたしが隣の時、あたしは空気扱いで、見てもくれなかった。景色ばっかで、イヤホンつけっぱで、話だって無視されて、なのに瑛菜は違う。ちゃんと瑛菜を見て、話を聞いて、イヤホンも外して、笑いかけて、扱い違い過ぎるんですけど?何なんだろ?何でこんなに悔しいんだろ?』
留「いい加減、座れよ」
未「へ?」
留萌はあたしの顔を見ないで喋りかけてきた。
留「しかも、ガンミすんな」
バスが止まった
次の休憩地。
未「…大嫌い。お前みたいな性格の奴、大嫌い!」
そのまま、バスを降りて
どこに行ってるかなんてわからない
ただ、歩き続けた。
何も考えてなかった。
いきなり腕を捕まれた。
未「なんだ…!!」
芽翔君だった。
芽「歩くの早くね?」
『一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、期待した。
あたしの手を握ったのが留萌なんじゃないかって…』