欲望チェリ-止まらない心
散々泣いて、少し落ち着いた頃
SHRが終わったのかトイレに誰かが入ってくる気配がした。
あたしは思わず息を殺す。
「なんか今日ダルかったね」
白いタイル張りのトイレに女子の声が響く。
「うんうん。てか三咲ちゃん、SHR居なかったね」
あたしは自分の名前が出てドキッとした。
「いつまで続ける気かな?」
「さぁ?萌菜ちゃんが許すまでじゃない?」
…ッ!!?
ガタンと音を立てて、あたしは思わず個室から外に出た。
「え!?み…三咲ちゃん?!」
泣き腫れた顔のあたしを見て、クラスメイトの二人も驚いた顔をした。
「い…今の話…ほんと?」
萌菜ちゃんたちが…
そんなことを?
「あ……えっと…」
二人は気まずそうに顔を見合せると
扉をあけて廊下に萌菜ちゃん達が居ないことを一度確認した。
そして
申し訳なさそうな表情で、事の発端を明かしてくれた。