欲望チェリ-止まらない心
「……ゴメンね、」


クラスメイトは申し訳なさそうに、もう一度謝った。


ゴメンね、


それはきっと


“明日からもまた無視するけどゴメンね”


という意味も含まれてるんだろう。


「……いいの」


あたしは首を横にふった。


誰だって無視はされたくない。


あたしを無視してみんなが平和に過ごせるならば、それで構わない。



「気にしなくていいよ」


あたしがニコッと笑うと、なぜか二人が泣きそうな顔をした。











泣き腫らした顔をトイレで洗うと、あたしは教室へ戻った。


放課後の教室には数人の生徒が残っていて、


明らかに泣いたあたしの顔を見ると、申し訳ないのかみんな露骨に視線を反らした。


……ズキッ


真相がわかっても、やっぱり胸は痛むんだね。


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