欲望チェリ-止まらない心
駅に向かう通学路の途中


薬局の前を歩く3人の後ろ姿を発見した。





ド…クン…




決意しても、緊張はする。


走っていたのに、3人をみた途端に止まりそうになる足。


3人が…怖い。


無視されたのは今日が初めて、たったの1日。


なのに――…


あたしの心に恐怖を植え付けるには、それは充分すぎる時間だった。


「ッ……!」


だけどここで逃げたら、明日はもっと逃げてしまう。



だから、あたしは無理やり叫んだ。





「もっ…萌菜ちゃんッ…!!」


叫んでしまえば、取り返しがつかなくなるから。


話し合うしかなくなるから…。




あたしの声に3人が振り返った。


「!!?」


走り寄るあたしを見て、萌菜ちゃんは目を見開いた。


そりゃそうだよね。



無視されてるあたしが、まさか自分から来るなんて思わないよね。




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