欲望チェリ-止まらない心
「あんたには愛しの『ひーくん』がいるんだし、もうウチらいらないっしょ?」
「………」
「うちらも、もううんざりだし?あんたみたいなクソ真面目ヤローはさ」
「………」
萌菜ちゃんの言葉に体中の血液が静かに引いていく気がした。
そんな風に…思っていたの?
あたしのこと―――…
ずっとそんな風に思ってたの?
“うざい”
初めて人から言われたその言葉に心臓がドクドクなる。
「親友じゃ…なかったの?」
あたしは震える手でスカートを握った。
親友だって、言ってくれたよね?
あれは…嘘だったの?
あたしの言葉に萌菜ちゃんは笑った。
「バッカじゃないの?親友って誰と誰が?」
「ッ………」
「あんなの、ひー君と近付く為に決まってんじゃん!」
萌菜ちゃんはあたしに一歩近付くと、ドンッとあたしの肩を押した。
「ッ……」
その勢いで、あたしは一歩下がる。