欲望チェリ-止まらない心
追い詰められる心
「はぁっ…はぁっ」
あたしが生徒会室の前につくと
同じタイミングで中から灘瑛太と安達優花が出てきた。
「ゆ…優花先輩っ…!」
書記の優花先輩は、息を切らして今にも泣きそうなあたしを見て、目を丸くさせた。
「え?三咲ちゃん、大丈夫?」
「はい、あの…も、もう終わっちゃったんですか…?!」
30分以上は遅刻してるから…
間に合わなかったのだろうか
「あ、うん。今日は聖もいないし簡単な確認だけで終わったんだよ」
優花先輩は優しく微笑む。
「…………」
最悪の展開にあたしは絶望した。
「紅はまだ中で仕事してるよ。手伝ってあげたら?」
「!」
あたしの顔がよほど青くなったのか、優花先輩はプッと吹き出した。
「三咲ちゃんて分かりやす~い」
「や…あの…ちが」
「いいのいいの、がんばれ♪」
優花先輩はそう言うと、あたしの肩をポンと叩いて帰っていった。