欲望チェリ-止まらない心
「おい」
「…………」
「おい」
「……ん…」
放課後――…
今日もいつものように生徒会室で仕事。
しかし
矢嶌紅を待つのにいつの間にかあたしは寝てしまっていた。
寝ていたあたしの顔に矢嶌紅がパサッと資料をかぶせた。
「!」
ハッとしてあたしは体を起こす。
「す…すみません!」
あたしったら…!
寝てたの!?
あたしは慌てて仕事をしようと机の上を見た。
―――え?
そこには既に完成した資料が…
慌てて時計を見るともう5時だった。
「!」
あたし…!
何時間寝てたの!?
矢嶌紅を見ると、黙々と片付けをしていた。
「あ、あの…」
おどおどするあたしに、矢嶌紅は目だけでこちらを見た。
「お前、寝すぎ」
「!」
あたしの顔が赤くなる。
「ゴメ…なさい。最近ちゃんと寝てなくて…」
忙しくて、なんて言い訳だよね。