欲望チェリ-止まらない心
しかし矢嶌紅はサラッと言う。


「お前寝てた方が仕事が早く終わった」


「え?うそ」


「………」


矢嶌紅は口の端を小さく上げる。


「!///」


矢嶌紅はカバンを持つとスタスタと歩く。


「帰るぞ」


「は!はい!」


あたしはそれを慌てて追った。












夕暮れの廊下には人影もまばらだ。


西日に長く伸びたあたしと矢嶌紅の影。


矢嶌紅の赤い髪がオレンジ色に照らされる。


すごく綺麗…


「矢嶌紅の髪は…校則違反じゃないんですか?」


廊下に響く二つの足音。


「これ元からだし」


窓の外では運動部がグランドの片付けをしている。


「え?そうなんですか?!矢嶌紅ってもしやハーフ?」


「…クォーター」


ほえぇ~


どうりで、やたら綺麗な顔立ちをしている訳だ。


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