欲望チェリ-止まらない心
「……寝不足?」


「あ、うん。クマ酷いよね?」


あたしは慌てて目をさわる。


「三咲はがんばり屋さんだな。あんまり無理するなよ」


そう言ってから、ひー君は頭をかいた。


「って、無理させてるの俺か…」


「!」


あたしは首をブンブン振った。


「そんなことないよ?あたしが好きでやってるんだもん!」


あたしの言葉に、ひー君は小さく笑った。


笑うと白い歯が覗いて、胸がキュンとする。


ひー君…やっぱりカッコいいな









「紅とはうまくやってる?」



いきなり矢嶌紅の名前が出て、あたしはなぜかドキッとした。


「え?!な…なんで?」


「え?三咲怖がってたからさ」


そんなあたしにひー君も少し驚く。


「う、うん!大丈夫だよ。あ…でもよく怒られるけど」


あたしがテヘヘと笑うとひー君も少し微笑んだ。


「困ったことがあればいつでも言って」


ひー君があたしの頭をなでなでする。


< 170 / 488 >

この作品をシェア

pagetop