欲望チェリ-止まらない心
ひー君と親には、既に友達と寄り道するとメールを入れておいた。


過保護なうちの親は、本当の理由を言うときっとうるさいから…


それに忙しいひー君には、余計な心配かけたくないもん。


ひー君…


あたしは立ち止まると、今にも雨がこぼれ落ちそうな空を見上げた。





ダメだ…!


なに弱気になってるの、三咲!


初めてのバイトぐらいでくよくよしてちゃ、ひー君の彼女失格だよ!


前向きにがんばらなきゃ!


そして、あたしは思い出す。


そう言えば、年末にはひー君の誕生日があるじゃん!


だいぶ早いけど…早すぎるけど…その為にお金を稼ぐと思えば良いんだ!


「よし…っ!」


あたしは心を入れ替えると、足取り強くまた歩き出した。



< 19 / 488 >

この作品をシェア

pagetop