欲望チェリ-止まらない心
―――翌日







「あ、聖」


登校してすぐ、俺は朝から廊下で聖を見かけた。


「あぁ紅、おはよう」


廊下の窓辺に立つ聖は、朝から爽やかな笑顔を俺に向ける。


聖の前に立つ男子も、俺を見ると頭を下げた。


確か剣道部の次期主将とかで、最近よく聖の傍で見かける奴だ。


二人の雰囲気から聖はどうやら相談を受けているようだった。


今はやめとくか…


俺は挨拶だけで、聖の横を通り過ぎる。





橘三咲のこと


早く伝えなきゃなと思いつつもなかなか機会を得ない。


聖の周りには常に誰かがいて…


その後も何度か聖を見かけたが


なかなかタイミングが合わず、俺は伝えられないでいた。




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