欲望チェリ-止まらない心
「土地1万k㎡辺りの焼却場の数って、アメリカで168、ドイツで51、イギリスで7、なんです」


「うん」


「日本はわかりますか?」


「さあ…200ぐらいか?」


俺の答えに橘は俺の肩を叩く。


「違います!なんと1893もあるんですよ!」


橘は一際、興奮した声を出した。


「へぇ…そりゃ多いな」


「そうですよね?あたしこんなに多いのかって、もう愕然としちゃって…!」


調べているうちに環境問題に取り憑かれたのか


熱く語る橘に俺は苦笑いする。


橘はその後もしばらく俺にうんちくを語っていた。










「まぁ…良いんじゃねぇの?」


熱心なのは結構だが、長くなる話に退屈してきた。


俺は橘の話をまとめるように、橘の方に顔を向ける。





しかし、その瞬間


偶然、橘も俺の方を見ていたらしい。



「っ!」



鼻と鼻がぶつかりそうな距離にある橘の顔。


その近さに俺は思わず目を見開いた。




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